HEAVEN AND HELL Tour (with Bill Ward)
'80年4月17日〜8月23日


 Ozzy Osbourneが脱退し、ついにオリジナルラインナップが崩壊したBLACK SABBATH。Ronnie James Dioが新作のセッションに合流しますが、この段階では“BLACK SABBATH”というバンドが続くのか決まっていなかったそうです。そして今度はGeezer Butlerが脱退。後任ベーシストにGeoff Nichollsを迎えて作曲を進めますが、ほどなくGeezerが復帰、Geoffはキーボードにチェンジします。こうしたバンド結成以来の紆余曲折を経て「HEAVEN AND HELL」が完成したのですが、難産の割に苦言が出ないのは新作が成功を収めたことに加え、“これはイケる!”という充実感があったのではないでしょうか?なにはともあれ、新時代のSABBATHがツアーに出るわけです。

SET LIST
Supertzar
1. War Pigs
2. Neon Knights
3. N.I.B.
4. Lonely is the Word/ツアー前半のみ
5. Sweet Leaf
6. Children of the Sea
7. Black Sabbath
8. Heaven and Hell
9. Iron Man
10. Die Young
11. Paranoid〜Heaven and Hell (reprise)
12. Children of the Grave
Fluff or Laguna Sunrise

MEMBER
GUITAR: Tony Iommi
VOCAL: Ronnie James Dio
BASS: Geezer Butler
DRUMS: BILL WARD
ADDITIONAL KEYBOARD: Geoff Nicholls

 セットはガッチリと決まり、まったくと言っていいほど変化しない。Sweet Leafは間にドラムソロを挟んでます。ツアー前半の特徴はLonely is the Word。この曲はVinny Appice加入前にセット落ちし、その後は2007年のHEAVEN AND HELLプロジェクトまで復活することはありませんでした。
 演奏内容も登り調子な状況を反映して非常に素晴らしい……んですが、Billのドラミングだけは…やっぱりどうにも精彩を欠いて聴こえてしまいます。「LIVE EVIL」で耳に染みついてしまったフィルの数々がないのは仕方ないにしても、70年代のBill自身と比べても淡泊な印象が拭えません。後の脱落が予感されるプレイ、と言ったら言い過ぎでしょうか。


FAVOURITE LIVE SOURCE
DISC 2
'80年8月10日HARTFORD CIVIC CENTER (KING BISCUIT FLOWER HOUR Ver)
1. DJ Intro.
2. War Pigs
3. Neon Knights
4. Children of the Sea
5. Heaven and Hell
6. Die Young

'80年8月会場不明
7. Supertzar
8. War Pigs
9. Neon Knights
10. Children of the Sea
11. Black Sabbath
12. Die Young

  • BOOTLEG CD「BRINGER OF EVIL」

 HEAVEN AND HELL TourのSBDソースを集めた2枚組コンピブートのDisc2。2公演から収められていますが、どちらもBill Ward在籍時。両者とも個性は違えど素晴らしい音です。
 前半1〜6は定番のFMソースのKING BISCUIT FLOWER HOUR放送版。以前からSUPERGROUPS IN CONCERT放送ヴァージョン(下記)がありましたが、それとはミックスが微妙に異なり、DJも収録されています。アナログシングルに納められたHeaven and Hellのライヴはこの日ですね。所々ヴォーカルが遠くなりますが、それも些細な話。定番なのも納得!?の音質です。
 後半7〜12はCozy Powellが所有していたと言われるSBDソースで、元々「DRAGONS AND KINGS」にリマスターヴァージョンとオリジナルカセットヴァージョンが収録されていましたが、こちらはさらに再リマスターした音源。音質は極めてクリアで、ときにスタジオライヴを思い起こさせるバランス/ミックスが特徴。いかにもボード直録りな感触です。「DRAGONS AND KINGS」に比べるとさらに聴きやすくテープ劣化とおぼしき歪みが目立たなくなっていますね。これによりほぼ用なしとなった「DRAGONS AND KINGS」ですが、「生録そのもの」が聴けるオリジナルカセットヴァージョンには意味が…ある……のかな?

 時間が短いとは言え、貴重なBillとRonnieの共演、しかも真に完全版のDie Youngを極上サウンドで収録している価値は計り知れない1枚です。Die YoungはDIOでも演奏していないばかりか、MOB RULES Tourではやらず、DEHUMANIZER Tourでは短縮バージョンでした。次のVinny Appice交代後でもSBDソースはあるものの、ことDie Youngだけはなかなか完璧なテイクってわけにはいかないんですよね……。

The other SBD/FM SOURCES

  • OFFICIAL SINGLE「NEON KNIGHTS」/'80年5月8日HAMMERSMITH ODEON, LONDON
    たった1曲の貴重なオフィシャルライヴ。「BRINGER OF EVIL」未収録のSBDはこれだけ。これさえ入れてくれりゃあ完璧だったのになぁ…。同日のフルセットはAUDテープ。
    Children of the Sea
  • BOOTLEG CD「"IRON MAN"(VOL.3)」「LIVE IN USA」他/'80年8月10日HARTFORD CIVIC CENTER (SUPERGROUPS IN CONCERT Ver?)
    上記「BRINGER OF EVIL」収録音源と同日の別ミックスヴァージョン。私の知る限り放送原盤は2種類だけなので多分SUPERGROUPS IN CONCERT放送版だと思います。多数のタイトルがあり、恐らくこの日のブートはほとんどがこちらのヴァージョンではないでしょうか。DJがなくHeaven And Hell前のMCが収録されているので簡単に判別できますが、普通に聴く分には「BRINGER OF EVIL」とほとんど差がありません。若干低音が強めで私好みなんですが、クリアランスは「BRINGER〜」の方が上……いや、War Pigsだけはこっちかな……でも針パチやヒスノイズがあるな……「"IRON MAN" (VOL.3)」なら多少マシか……うー、もうどっちでもいいです。(苦笑)
    War Pigs / Neon Knights / Children of the Sea / Heaven and Hell / Die Young


全曲プラン
  • BOOTLEG CD-R「LONELY IS THE WORD」/'80年6月2日STADTHALLE, OFFENBACH
    Supertzar / War Pigs / Neon Knights / N.I.B. / LONELY IS THE WORD / Sweet Leaf / Children of the Sea / Black Sabbath / Heaven and Hell / Iron Man / Die Young / Paranoid / Children of the Grave
  • BOOTLEG CD「BRINGER OF EVIL」/'80年8月会場不明
    Supertzar / War Pigs / Neon Knights / Children of the Sea / BLACK SABBATH / Die Young
このメンバーの全曲を聴くには、注目のLonely is the Wordも入ったAUDブートレッグ「LONELY IS THE WORD」でほとんど押さえられるようです。これに未収録のBlack Sabbathは、上記の「BRINGER OF EVIL」で。
<< NEVER SAY DIE Tour     HEAVEN AND HELL Tour (with Vinny Appice) >>

TOPへ
このページは GeoCitiesです 無料ホームページをどうぞ