HEAVEN AND HELL Tour
ドラマーがチェンジしてもセットはほぼ同じ。Lonely is the Wordに代わってLady Evilが入った程度ですね。ショウ構成は同じでも演奏はだいぶ違い、Vinnyのドラミングがなんとも素晴らしい! 基本は後ノリのようですが、それが速いタムロールのスピード感を倍加、まるで爆発するかのような勢いが楽曲に注ぎ込まれてドラマツルギーを押し上げています。この溌剌としたドラミングに乗るとGeezerのベースラインも“沈み込む”より“流麗に走る”ような気がしてくるから不思議。メロディアスでドラマティックなRonnieの歌世界に絡んでいく様はオリジナルラインナップとは別世界ながらも、同じくらい4人の個性が際立った見事なユニットだと思います。
……と、絶賛していますが実は欠点もあります。Heaven And HellとParanoidのイントロ、アンコールのChildren Of The Graveが欠けているのは“甥っ子テープ”からだそうですが、問題はDie Young。この時期のDie Youngにはイントロのキーボード部に長〜いギターソロがある(Bill在籍時だと短い)んですが、そこが短くカットされ、曲に入ってしまいます。これは「BURNING THE CROSS」からの欠点で、“甥っ子テープ”や下記「AUSIE KNIGHTS」には収録されています。非常に惜しいところで“なんちゃって完全版”なんですよねぇ。
'80年8月31日〜'81年2月2日
「HEAVEN AND HELL」ツアーの途中でドラムのBill Wardが電撃脱退、後任にVinny Appice(「MOB RULES」「LIVE EVIL」ではVinnie Appiceとクレジットされていますが、「HOLY DIVER」以降Vinnyで統一されてるようです)を迎えてツアーを続行します。Vinnyはあくまで“ゲストドラマー”との名目でした。 SET LIST
Supertzar
1. War Pigs
2. Neon Knights
3. N.I.B.
4. Children of the Sea
5. Sweet Leaf
6. Lady Evil/ツアー後半のみ
7. Black Sabbath
8. Heaven and Hell
9. Iron Man
10. Die Young
11. Paranoid〜Heaven And Hell (reprise)
12. Children of the Grave MEMBER
GUITAR: Tony Iommi
VOCAL: Ronnie James Dio
BASS: Geezer Butler
ADDITIONAL DRUMS: VINNY APPICE
ADDITIONAL KEYBOARD: Geoff Nicholls
そのVinnyもSABBATHブランドを意識してか、後年になるほどヘヴィネス重視に手数が減ってしまいますが、この時期は大爆発! 本当に大きな聴きどころです。
FAVOURITE LIVE SOURCE
'80年11月27日THE CAPITOL THEATER
DISC 1
1. Supertzar
2. War Pigs
3. Neon Knights
4. N.I.B.
5. Children of the Sea
6. Sweet Leaf
←ポイント!
7. Drums Solo
←ポイント!
8. Sweet Leaf (reprise)
←ポイント!
9. Black Sabbath
10. Heaven and Hell (fade in)
11. Iron Man
12. Die Young (イントロにcutあり)
←ポイント!
13. Paranoid (cut in)
HEAVEN AND HELL TourのSBDソースを集めた2枚組コンピブートのDisc1。この日のエンジニアがSABBATHファンの甥っ子にプレゼントしたテープが大本で、近所のレコード店の店員がそのテープ(実物)を頼み込んで貸してもらい、コピーがトレードの世界へ流れて行った……そうです。これほど出自の明らかなSBD音源も珍しいですね。(笑)
超高音質ながらテープスピードが若干速かった「BURNING THE CROSS」と元は同じだと思いますが、こちらのピッチは正確。晴れて[FAVOURITE]に昇格です。(笑)「LIVE EVIL」にないSweet Leaf、Die Youngがポイントですが、それ以上に荒々しくもリアルなサウンドが実に素晴らしい! 鬼のように歌うRonnie、遠慮会釈なくフィルを叩き込むVinny、いつになく厚く響くGeoff、そして耳元で炸裂するIommi&Geezer。時々ステレオ感がおかしくなったりしますが、いかにもSBD直録りのド迫力ライヴが超クリアに迫る様はオフィシャルとは別世界。ある意味「LIVE EVIL」以上と言って構わないでしょう。Great!
……といった問題があるものの、実は私にとってベストのDie Youngはコレ。サウンドもさることながらラストの連呼にもBill在籍時とはホンのちょっと違った小粋さがあって、これがもの凄く好き。それに短いくらいで丁度良いソロだったりするんですよね。(苦笑)
The other SBD/FM SOURCES
さすがオフィシャルの高音質/画質。ですがBLUE OYSTER CULTとのカップリングで曲順も編集も滅茶苦茶。ベースはよく聞こえないわ、マイクトラブルもあるわと、SABBATHフリークとしては歯痒い1枚ですね。Die Youngも入ってますが、イントロのキーボード&ギターソロが別トラックに分かれてる……。
War Pigs / N.I.B. / Iron Man / Paranoid / DIE YOUNG / Neon Knights / Heaven and Hell
大定番の来日公演FM。いくつもある中で「SABBATH DAY'S JOURNEY」がベストサウンドなようです。この日はオフィシャル未収録のSweet Leafに加え、Lady Evilのラインテイクが最大のポイントですね。放送用だけあってキーボードもしっかり効いた優れたミックスは非常に素晴らしいんですが、頭のSupertzar〜War Pigsがないのは残念。加えてN.I.B.、Children of the Sea、Heaven and Hell、Black Sabbathでノイズや音飛びがあるのは致命的ですね。一時期「AUD録音じゃないか?」という説もあったんですが、単に客席の歓声を被せただけでしょう。ちなみに、この日はIommiが体調不良でHeaven and Hellが途中で終了、Iron ManこそやるもののDie Youngもアンコールもありませんでした。
Neon Knights / N.I.B. / Children of the Sea / SWEET LEAF / LADY EVIL / Black Sabbath / Heaven and Hell / Iron Man
上記FMと同公演のSBD盤。この日はFM、SBD、AUDの3種類があり、海外のトレードサイトではSBDソースの「ANGEL AND DEMON」の評判が良いようです。FMと比べるとキーボードがやたら小さくいかにも直録りといった生々しいサウンドで、Vinnyのド迫力ドラミングが鮮烈です。Supertzar〜War Pigsも入ってますし、音飛びもありません。
Supertzar / War Pigs / Neon Knights / N.I.B. / Children of the Sea / SWEET LEAF / LADY EVIL / Black Sabbath / Heaven and Hell / Iron Man
[FAVOURITE]と同日、つまり“甥っ子テープ”から生まれたSBDブートです。こちらはDie Youngイントロのギターソロがある完全版2枚組……なんですが「BRINGER OF EVIL」とは比較にならないほど音が悪い! ホント、Die Youngは鬼門ですねぇ。(苦笑)
Supertzar / War Pigs / Neon Knights / N.I.B. / Children of the Sea / SWEET LEAF / Drums solo / Black Sabbath // Heaven and Hell / Iron Man / GUITAR SOLO / DIE YOUNG / Paranoid
TV番組DKRCに出演した3曲分の映像。TV放送となれば定番になってもおかしくないと思うんですが、入手困難で私も観たことありません。
Heaven and Hell / DIE YOUNG / Neon Knights