OZZFEST 2004 Tour
2004年7月10日〜9月2日


SET LIST
Intro: Sabbath Medley〜Supertzar
1. War Pigs
2. N.I.B.
3. Fairies Wear Boots
4. Into the Void
5. Sweet Leaf(7月10〜14日、8月10日のみ)
6. Black Sabbath
7. Snowblind(7月10日〜8月21日)
8. Iron Man
9. Children of the Grave
10. Sabbath Bloody Sabbath (intro)〜
 Paranoid
Outro: Supertzar

MEMBER
GUITAR: Tony Iommi
VOCAL: Ozzy Osbourne or ROB HALFORD
BASS: Geezer Butler
DRUMS: Bill Ward
ADDITIONAL KEYBOARD: Adam Wakeman

 
 前回のOZZFEST 2001と前後して新作に着手するBLACK SABBATH。ところがOzzyのソロ活動やTV番組「THE OSBOURNES」が優先され、結局完成することなく流れてしまいます。Osbourne家に振りまわされ、無為な時が過ぎること3年。OZZFESTで三度の復活となります。
 当初「ドラマーはMike Bordin」と発表されましたが、それに対してBillが自身のHPで反論。結果として「Billを含むオリジナル4人+Adam Wakeman」体制で全25公演(Rob Halfordが歌ったCamden公演も含む)の日程をこなしました。Bordin起用はSharonの発案だと思いますが……TVの大ブレイクで一躍時の人となった女王様、どうもこの辺からご乱心が激しくなったようです。
 ともあれ、ドタバタによる準備不足かどうか分かりませんが、ここにきて究極的にコアなセットが実現します。最初こそ「核の8曲」+Sweet Leaf+Snowblindの10曲セットですが、徐々に減っていき、最終的には黄金構造だけが残りました。また、この年はショウ前後のBGMにSupertzarが使われたそう。終演にも使うのは珍しいですね。

 さて、そんなこんなでツアーも終盤にさしかかった8月下旬、Ozzyは気管支炎を患って休養を余儀なくされてしまいます。通常ならキャンセルするところですが、Sharon OsbourneはJUDAS PRIESTのRob HalfordにOzzyの代役を依頼します。53歳の誕生日を迎えたばかりのRobは「2日連続で誕生日が来たようだ」と快諾、8月26日の一晩だけ'92年11月15日のCOSTA MESA以来11年9ヶ月と11日ぶりとなる三度目の共演が実現しました。
 '92年COSTA MESAではわずか5日とは言え準備期間がありましたが、今回はまさに昨日の今日状態。準備と言えば会場へ向かうバスの中でセットを一通り歌っただけだったそう。RobはJUDAS PRIESTの通常ステージをこなし、シャワーを浴び、20分後にはSABBATHのシンガーとして再びステージに立つという前代未聞の強行軍でした。
FAVOURITE LIVE SOURCE

2004年8月26日TWEETER CENTER, THE WATERFRONT, CAMDEN
1. Intro
2. Sabbath Medley
3. Supertzar
4. War Pigs
5. N.I.B
6. Fairies Wear Boots
7. Into the Void
8. Black Sabbath
9. Iron Man
10. Children of the Grave
11. Paranoid

  • BOOTLEG DVD「IRON GOD」

MEMBER
GUITAR: Tony Iommi
VOCAL: ROB HALFORD
BASS: Geezer Butler
DRUMS: Bill Ward
ADDITIONAL KEYBOARD: Adam Wakeman

 2004年唯一のラインソース。Ozzyが歌った通常ライヴも載せたいところですが、しょっぱい音のAUDを1公演分持っているだけなんですよね……。で、これは奇跡の夜をプロショットで収めたプレスDVD。画質音質とも強力無比の超一級品、2005年の2本と合わせリユニオン時代の3大プロショットと言っていいでしょう。
 ステージのスクリーンに映す映像らしく、イメージ映像だけでメンバーが映らなかったり、プリクラのような処理が入ることもしばしば。まっ暗な画面でDJのTommy ConwellとBill Wardのアナウンスやショウを導くSabbath Medley(これが完全な形で観られるだけでもお宝!)など、なかなかメンバーの姿が出てきませんが、N.I.B.以降はステージの様子がこれでもかというクリアさでしっかり映る。Paranoidで映像の乱れと音切れがあるものの、大部分はまさに文句なしのハイクオリティ映像です。

 '92年COSTA MESAではあくまでRonnieの代役でしたが、こちらはOzzyの代役。当然、前日までOzzyが歌っていた70年代ナンバーで占められ、しかも究極的なまでに凝縮されたセットリストになっています。Billが叩いていることもあり、常々SABBATHへのリスペクトを公言するRobにとってはまさに“ヒーロー達との夢の一夜”。その溢れんばかりの喜びは画面からも十分伝わってきます。
 その一方、Robは曲構成も歌の入りも手探りなのがハッキリと分かるパフォーマンスに終始。Paranoidではついに曲を見失ってしまいます。声の調子もあまり良くありません。(まぁ、状況を考えれば「よく頑張った!」ですけどね:古っ)もっとキチンとした形で「Rob解釈のSABBATH」が聴いてみたいですね。>> METAL GOD特集へ

 かようにして音楽的にはダメステージなわけですが、ともに“メタルの祖”と呼ばれる同郷の志、しかも長い歴史でたった3回の共演はロックの夢に溢れています。事前の計画ではないハプニングも考えると、これほどのクオリティで観られること自体が奇跡としか言いようがありません。

SOUNDBOARD RECORDING CD

  • BOOTLEG CD「ROBBED IN NEW JERSEY」
    上記DVD「IRON GOD」と同じショウの音だけCD。DVDのInto the Void、Paranoidにあったわずかな音欠けがコチラにはありません。Into the Voidは綺麗に聞こえますが、Paranoidの方は一瞬音質が変わる感じですね。これでRobの大ボケさえなければねぇ……(笑)
    Intro / Sabbath Medley / Supertzar / War Pigs / N.I.B / Fairies Wear Boots / Into the Void / Black Sabbath / Iron Man / Children of the Grave / Paranoid


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