LOVEHUNTER Tour
'79年7月3日〜'80年5月


MEMBER
VOCAL: David Coverdale
GUITAR: Micky Moody
GUITAR: Bernie Marsden
BASS: Neil Murray
DRUMS: Ian Paice
KEYBOARD: Jon Lord
 
 ジャズ要素の強い(んですかね?)Dowleに違和感を覚えたメンバーはドラマーの交替を画策、最終的な候補はCozy Powell(Coverdale、Marsdenの希望)とIan Paice(Moody、Murray、Lordの推薦)でした。MurrayはTommy Aldridgeの名も挙げましたが、他のメンバーが知らなかったので候補に残らなかったそう。まずはドイツツアー中にCozyを誘うも断られ、その2日後にはPaiceに決定。アルバム「LOVEHUNTER」こそDowleで録音('79年5〜6月)されたものの、アルバムに伴うライヴはすべてPaiceです。
 CozyやAldridgeの名が挙がる辺り、彼らがよりパワフルでハードな方向を志向していたのは明らか。そもそもCoverdaleはWHITESNAKE結成の時点でコンテンポラリーな男性歌手ではなく、「ロックシンガー」として生きることを決意したわけで、この後1990年の解散にいたるまで「もっとハードに!」「さらにビッグなショウへ」とバンドを脱皮させ続けていきます。

 実際、ここでのPaice効果もてきめんで、ロックなダイナミズムが劇的に向上。格段にスケールアップしたアンサンブルは目を見張るばかり。単にドラミングの違いではなく、バンド全体の一体感、音のムードから変わった感じです。これがケミストリーってものでしょうか。さすが黄金期と言うべきか、Classic SNAKEは音も演奏も強烈な音源が目白押し。どれを聴いても素晴らしく、すべてが決定盤になり得ますね。


BOOTLEG CD「SUMMER OF '79」「IN CONCERT FEATURING WHITESNAKE」DISC 1「THE VINTAGE CONCERT」
'79年8月26日READING FESTIVAL

1. Radio intro. 2. Walking in the Shadow of the Blues 3. Ain't No Love in the Heart of the City 4. M. Moody Solo〜Steal Away 5. Belgian Tom's Hat Trick 6. Mistreated 7. Soldier of Fortune 8. Lovehunter 9. Breakdown 10. Whitesnake Boogie

 Paiceが加入して2公演目のReading Festivalを収めたFMブート。定番の音源なので何種類もありますが、私が持っているのはここに挙げた3枚。頭のCome On、Might Just Take Your Lifeが抜けている放送用ダイジェストではあるものの、リリース直前だった「LOVEHUNTER」からも披露されています。公式用にしては荒々しく、AUDにしては鮮やかで、卓録りにしては歓声が生々しい、放送物ならではのタイプ。録音や歓声のミックスが少々乱暴なのも放送ならでは(笑
 その音に乗ってぶちかまされるPaice加入直後のムードが強烈でして、いきなりパワーの違いを見せつけるが如き大暴れ。それに対するメンバーのテンション、客の反応もまた凄い。録音、内容ともに希に見るハイエナジー盤ながら、音圧が高すぎるのか少々耳に痛い。この辺は相性ですね。こういう音が好きな方には唯一無二の傑作でしょうし、私にはちょっとキツい。ところで、この日のAin't No Love in the Heart of the CityはRobert Hart……じゃなくて(笑)Paul Rodgersっぽい歌い回しが出てきてゾクッとします。

 画像上「SUMMER OF '79」はNEW JERSEY RADIO NETWORKでの放送ヴァージョン。冒頭のDJがそう断言してます(笑)。他の放送より音が良いんだそうで、確かにノイズが少ないし、低音もシッカリしてるのでそうかもしれません。
 画像中央の「IN CONCERT FEATURING WHITESNAKE」は、BBC「IN CONCERT」放送ヴァージョン。'79年と'80年のReadingフェスのFM放送を2枚組で収めたブートレッグで、DISC 1は'79年。キューシートを意識したと思われるアートワークの事務感が渋くてイイ(笑)。'79年用のジャケを裏返すと'80年用のジャケになり、インナーにはキューシートのコピーがあしらわれています。ここまで凝っているのにトレイ面にDowleが写っているのは残念。
 タイトル通り恐らくBBCのトランスクリプションディスクから起こされたと思われ、DJも聴けます。が、問題なのは音質でクリアではあるものの、全編にスクラッチノイズがある。3枚の中では一番厳しいかな。
 画像下の「THE VINTAGE CONCERT」はわりと古くからあるブートCD。DJがカットされているのでどの放送か判断しかねますが、多分N.J.R.N.なのかな……カンですけど。音の感じが「SUMMER OF '79」に近いと思います。3枚の中で一番耳に優しい音な気がしますが、それは単に劣化で音の鋭さが落ちてるだけなのかも……(苦笑

OFFICIAL CD「READY AN' WILLING」BONUS TRACK
PREVIOUSLY UNRELEASED

10. Love for Sale
'79年8月26日READING FESTIVAL
11. Ain't No Love in the Heart of the City 12. Mistreated (〜Soldier of Fortune) 13. Lovehunter 14. Breakdown (〜Whitesnake Boogie)

 リマスター盤のボーナストラックには未発表のスタジオ録音1曲と、Reading Festivalからライヴ4曲がセレクト。Love for Saleはなかなかの佳曲で意外な掘り出し物です。
 で、問題のライヴ。ブートに比べて格段に抜けの良いマスタークオリティのようですが、録音が録音なだけに荒さはそのまま。ビビッドになった分、さらに突き刺し感が(苦笑)。美しい音のスタジオ作に続いて聴くのはどうもなぁ……Lovehunterのイントロとか……キツいっす。それ以上に、たった4曲なのが許し難い。なんたる中途半端、これじゃイライラするだけです。Reading音源を公式に扱えるんなら、2枚組でもBOXでもいいからありったけ出しやがれ!(怒
 余談その1:この日のWalking in the Shadow of the bluesがコンピレーションLP「READING ROCK VOL.1」にて公式化済み。私は持ってませんけど。余談その2:'84年になってからシングルB面として日の目を見たNeed Your Love So Bad、実は「READY AN' WILLING」のアウトテイクでして、この時期の録音です。もちろんオルガン演奏の方ですよ。


BOOTLEG CD「JUST YOU 'N' ME」
'80年4月12日名古屋愛知勤労会館
DISC 1

1. Come On 2. You 'n' Me 3. Walking in the Shadow of the Blues 4. Ain't No Love in the Heart of the City (cut out) 5. M. Moody Solo 6. Lovehunter 7. Mistreated (incl. B. Marsden Solo〜Soldier of Fortune)
DISC 2
1. J. Lord Solo 2. Belgian Tom's Hat Trick 3. I. Paice Solo 4. Might Just Take Your Life 5. Lie Down (A Modern Love Song) 6. Take Me with You 7. Rock Me Baby 8. Breakdown〜Whitesnake Boogie

 「LOVEHUNTER」ツアーで初来日を果たしたWHITESNAKE。この2ヶ月前に次作「READY AN' WILLING」を仕上げていましたが、「LIVE AT HAMMERSMITH」との兼ね合いから日本では新曲は披露されなかったそう。コレはその初来日の2日目、名古屋公演を収めたSBDブートです。オフィシャルではあり得ないライン特有の超近い耳元サウンドが炸裂する音質・バランスは一級品(ドラムソロのみちょっとだけノイジー)。歓声もほとんど聞こえず、公式級と呼ぶには生々しい気もしますが、Reading Festivalよりはよほど聴きやすいですね。Ain't No Love in the Heart of the City後半のカット(惜しい!)以外はフル収録です。「LOVEHUNTER」ツアーの完全版に最も近いSBDでしょう。
 それにしてもClassic SNAKEは本当に素晴らしい。ドラム&キーボードにDEEP PURPLE色が出るのは当然としても、FREEを彷彿とさせる熱いヴォーカル、初期FLEETWOOD MACを下敷きとしながらもWISHBONE ASHばりのハーモニーも聴かせるツイン、そして誰にも似ていないキャッチーな魅力……英国ロックの旨味がギュウ詰めですよ。この後どんどん熟練度を上げていくわけですが、まだ荒々しさの残る独特なムードもまたイイですよねぇ。このライヴを生で体験できた当時のファンが羨ましいですよ、まったく!


BOOTLEG CD「SING FOR ME」
'80年4月15日東京中野サンプラザ(?)
DISC 1

1. Come On 2. You 'n' Me 3. Walking in the Shadow of the Blues 4. Ain't No Love in the Heart of the City 5. M. Moody Solo 6. Lovehunter 7. Mistreated (cut)
DISC 2
1. J. Lord Solo 2. Belgian Tom's Hat Trick 3. I. Paice Solo 4. Might Just Take Your Life 5. Lie Down (A Modern Love Song) 6. Take Me with You 7. Rock Me Baby (fade out)
 初来日4公演目のSBDブート。「JUST YOU 'N' ME」と3日後だけあって内容もサウンドもかなり近い感じ。歓声がほとんど聞こえないところまで似てる(笑)。こちらではMistreatedの途中にカットがあり、アンコールのBreakdownが未収録。「JUST YOU 'N' ME」と比べ、わずかながら経年劣化が感じられる事、アンコールが短い事から小さく載せましたが、ほぼ甲乙の付けがたい素晴らしいライヴ盤です。
 ところでRock Me Babyの途中、Coverdaleが観客に「下がれ、気を付けろ!OK?」と言ってテープが終了するんですが、この日一体何があったのか……

AUD録音で探る“現場の音”
'80年4月15日東京中野サンプラザ(?)/「TOKYO BITES」「ROCK ME BABY」(AUD録音)
DISC 1

1. Come On 2. You 'n' Me 3. Walking in the Shadow of the Blues 4. Ain't No Love in the Heart of the City 5. M. Moody Solo 6. Lovehunter 7. Mistreated 8. Soldier Of Fortune 9. J. Lord Solo
DISC 2
1. Belgian Tom's Hat Trick (incl. I. Paice Solo) 2. Might Just Take Your Life 3. Lie Down (A Modern Love Song) 4. Take Me with You 5. Rock Me Baby 6. Breakdown (incl. Whitesnake Boogie)
……という事を友人に話したら、同じ「4月15日」と言われるAUD録音を2種聴かせてくれました。ところが、こっちのRock Me Babyではなにも起きてない。どれもMCで「東京」と言っていますが、初来日の東京公演は都合5回(11日、14日、15日、19日、21日)。本当は何日なのか? 結局「SING FOR ME」の日に何が起きていたのか? 謎は深まるばかりなり。


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MOODY/MARSDEN, THE SNAKES, COMPANY OF SNAKES, M3


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